SW2.5シナリオ・ボクスマキナアーツ!!

f:id:genshikigou:20190212000733p:plain — SW2.5　ボクスマキナアーツ

●シナリオ概要

　PCたちは工房通りで助けた修理屋のメアリとナットの依頼で魔動機格闘試合ボクスマキナアーツに出場することになります。ボクスマキナアーツは人が搭乗して操る魔動機『ボクスマキナ』による格闘戦です。魔動死骸区ではボクスマキナによる賭け試合が富裕層の娯楽、貧困層の一攫千金のチャンスとして行われていたのです。
　ただし、メアリのボクスマキナは先日の試合で破損しており、PCたちはボクスマキナの修理部品を探しに魔巨兵の内部を探索することになります。ボクスマキナの修理を果たし格闘戦での勝利を収めることでシナリオは成功となります。

シナリオスペック

PL:3~5人
LV:2~3
Time:　6時間程度？
　本シナリオを遊ぶにはグループSNE製作、KADOKAWA発行のテーブルトークロールプレイングゲーム（TRPG）、ソードワールド2.5（SW2.5)ルールブック1が必要です。

　いつもの通り本シナリオを遊ぶ他、リプレイや配信、同人利用など自由です。その際はシナリオ作成者として表記：黒兎そよ　や@katatumuri　#ボクスマキナアーツなどで報告あると嬉しいです。
　（ボクスマキナアーツはフェローのルールの魔改造なので遊んだことの報告歓迎）

●舞台概要

　本書は“はきだめの”魔動死骸区(R1 p382)を舞台としたシナリオです。
　ブルライト地方東部にある魔動死骸区は、大地に仰向けに倒れた巨大な魔動巨兵の亡骸とその周辺に増設するように作られた居住区の集まりです。はきだめの名前の通り、訳ありの人々が住んでおり治安は悪く、貧富の差も非常に大きな集落です。詳しくはSW2.5ルールブック(R1 p382)を確認してください。
　なお、このシナリオ中で街の設定をしていますが、今後、公式からこの街の設定ガイドなどが出た場合、食い違いなどが生まれると思います。その場合はＧＭが適宜判断して利用してください。
　魔動死骸区のスラム街に近い魔動技師や職人が集まる『工房通り』が舞台となります。この設定も公式設定ではないので参加者で適宜調整するとよいでしょう。

▼シナリオの流れ

シナリオ導入
修理屋の依頼
　　↓
探索パート
　魔動巨兵の中へ
修理パート
　立ち上がれボクスマキナ
　　↓
魔動機格闘戦パート
　ボクスマキナアーツ
　　↓
シナリオ結末

●シナリオ導入

　あなたたちは冒険の途中に魔動死骸区へやってきた冒険者です。理由はそれぞれが考えても良いでしょう。思いつかなければ荷運び依頼で魔動死骸区へやってきて仕事を終えたばかりなどとすると良いでしょう。
　来たばかりの冒険者たちは横たわった巨大な魔動巨兵に驚くかもしれません。通りを歩けば建物は粗末なものも多く、一部の特権を持つ人以外の人々は裕福とは言えない暮らしをしているのが分かります。なんとか生き抜いている町の人々の他、あなたがたと同じような冒険者、熱心に布教して回る神官、日陰者の犯罪者など各地から流れ着いた曰く付きの人々が過ごしているのです。とは言え、今いる通りの辺りは活気が無いわけではありません。人々は貧しいながらも逞しく生きているのでしょう。

　そろそろ正午という時間。あなたたちが道を歩いていると目の前で一人の少女と数名の男たちが何やら口論しているのに出くわします。少女の傍らには人型の魔動機械が膝をついています。
男「早いとこ金を返してもらおうか。お前の爺さんがこしらえた借金をな」
少女「分かってるわよ。試合に勝って返すって言ってるでしょ！」
男「そんなの待てねぇよ！　だいたいこんなオンボロで勝てるわけないだろっ！」
男は魔動機を蹴り飛ばします。
少女「やめてよ！　これはお爺ちゃんが作った大切な子なんだからっ！」
男「うるせぇどけっ！　こいつもバラして売れば少しは金になるだろっ！」
　男は手荒に少女を突き飛ばします。そしてあなたたちの目の前で少女は尻餅をつくでしょう。

　さてあなたたちは少女を助けますか？　それともこのまま無視して立ち去りますか？
　SW2.5の冒険者は壁の守人。ウォールガーディアンとして弱いものを守る盾となることが不文律とされています。GMはシナリオの導入として助けに入るように説明してみましょう。PLたち自身に彼女を助ける理由を提案させても良いかもしれません。
　どうしても無視するというのならこのシナリオでの冒険はありません。

交渉

　助けに入ると説得や交渉または戦闘となります。あなたたちの機転で周囲を味方につけたり、上手く男たちと交渉するなどできれば戦闘は回避されても良いでしょう。必要なら目標値11で[冒険者レベル＋知力か精神]で判定を行うと良いでしょう。

戦闘

　戦闘の場合、敵は匪賊の雑兵(R1 p471)が3体。ただし特殊能力は使用せず、命中と回避を1ずつ減少させてください。敵は誰か一人が倒れるか、それぞれのHPが10以下になると逃げ出します。逃げ出した場合は銀貨袋50Gを１つ落としていきますが戦利品はありません。

　町の中での戦闘行為もこの魔動死骸区では日常茶飯事です。駆けつける衛兵などは居ませんが、あまり派手にやると周囲の冒険者や遺跡ギルドの目に付き止められるかもしれないことを伝えておきましょう。
　あなたたちが少女を助けると少女はお礼と共に名乗ります。
少女「ありがとう冒険者さんたち、危うく大切な子を壊されるところだったよ。アタシの名前はメアリ。お礼と言っては何だけどお昼をごちそうするわよ」
メアリ「ここはアタシの修理屋さ。奥へどうぞ、腕によりをかけた料理を作って貰うから」
　メアリはあなたたちになんとかお礼をしようと店の中へと招き入れます。

▼修理屋のメアリ

メアリ・チャペック（人間／女／15歳）
　魔動死骸区で修理屋を営む魔動機技師(修復士)の少女。技師としての腕は亡くなった祖父譲りで優秀である。両親も既に他界しており、今はルーンフォークのナットと暮らしている。性格は明るくやや強気。

●チャペック修理屋

　メアリに招き入れられたあなたたちは古い修理屋の中へと足を踏み入れます。辺りには魔動機械のパーツや鉄くずなどが山のようにありますが、箱や棚などで一定の法則で仕舞われていることが分かります。また、冒険者なら気が付くかもしれませんが店の奥は魔列車の客室車両が置かれています。二つ並んで固定された列車が彼女たちの居住スペースになっているようです。列車の事を冒険者たちが聞いてきたらメアリは祖父がかつて修理していた魔列車の先頭車両も見せてくれるでしょう。まだ修理が終わっていないので動かないけれどいつか動かしたいとメアリは夢を語ります。
　列車の傍には一人の青年が座っており、あなたたちに声をかけてきます。首に硬質パーツが付いていることからルーンフォークだと分かります。青年はこの店の従業員のナットです。

▼店番ルーンフォーク　ナット

ナット（ルーンフォーク／男／稼働6年・外見20代）
　メアリの修理屋で店番をする車椅子のルーンフォーク。性格は穏やかだが、ありもしない話を実しやかにしてメアリや冒険者たちをからかうのが玉に瑕。6年前にメアリとメアリの祖父に拾われた。

　
メアリ「ただいまナット！」
ナット「あぁお帰りメアリ。皆さん先ほどはありがとうございます。メアリが無茶しないか冷や冷やしていたんだ」
　（外での様子を見ていたが出るに出てこれなかった）ナットは車椅子で出てきてあなたたちに握手を求めてきます。

メアリ「ナット、冒険者さんたちにお礼にご馳走したいとおもってるの」
ナット「あぁ、分かったよメアリ。腕によりをかけよう」
ナット「所で皆さんは機械虫を食べた事はありますか？　中のオイルが甘くて美味いこの街の特産品なんですよ」
メアリ「嘘よ。そんなもの食べたらお腹壊しちゃうでしょ～！」
ナット「はっはっは。大丈夫、上手く料理しますよ～」
　そう言ったナットは慣れた様子で店のさらに奥のキッチンへと向かって行きます。しばらくすると素晴らしい料理の数々があなたたちの前に並ぶでしょう。なお手伝ったり様子を見に行くと魔動機の冷蔵庫やコンロなどがあり、場違いながら本格的な料理ができる事が分かります。
　できた料理を食べ休憩を取ることでHP,MP全てを回復することができます。
　休息中には以下のような情報が分かります。NPCの口から話してもいいですし、時間短縮でGMが箇条書きを読み上げて説明しても良いでしょう。（店に入る前に以下の事柄を聞かれていたら適宜説明をしてかまいません）

■情報

チャペック修理屋

　メアリが祖父から受け継いだ魔動機工房。質素ながらも機能的な工房です。ナットが座っている機械仕掛けの車椅子のできからも祖父の腕が良かった事が分かります。メアリ自身はまだまだと言っていますが、彼女の腕前はかなりのものです。

ナットについて

　メアリと祖父によって魔動巨兵内の壊れかけのジェネレータから出た所を拾われました。足の負傷は事故でと言って詳しくは話してくれません。（実際はメアリをかばって魔動機械に潰された。信頼を得た後はナットが居ない時ならメアリはすまなそうに話してくれる。逆にメアリが居ない時はナットが誇らしげに話してくれる）

争っていた男たち

　借金の取り立てに来ていたマクール商会の使いです。マクール商会は魔動機械で儲けている大商会。小さな工房に法外な金利で金を貸しつけ、支払えなければ店を乗っ取り安い賃金で労働させたり、技術を盗んだりして巨大化しています。魔動機格闘戦でも金に任せた機体を使い連勝を重ねています。

魔動機格闘戦

　ボクスマキナアーツと呼ばれる魔動機の賭け試合の事。がらくたの寄せ集めのような機体から大商会のチューンナップされた機体まで様々な魔動機工房が参加します。野良試合の他、遺跡ギルドが管理する大会などもあり富裕層の娯楽や貧困層の一攫千金のチャンスとして行われています。チャペック修理屋もこの大会に参加して賞金を得ようと考えています。

壊れたボクスマキナ

　導入でメアリがかばっていたボクスマキナは彼女の祖父が組み上げた機体です。寄せ集めですが祖父が生きている間はかなりの勝ち星を挙げていました。しかし、先日の試合で敗北し今は起動すらしない状況になっています。

●チャペック修理屋からの依頼

　食事が済んだ頃合いでメアリは魔動巨兵のガラクタが集まる迷宮・スクラップメイズへ行くと言い出します。危険が伴うためナットは止めますがボクスマキナを修理して試合にでるためだと言ってききません。　

メアリ「ボクスマキナへ出るためにスクラップメイズに行ってくるわ。修理さえすればこの子はまた戦えるの」
ナット「確かに修理はできるかもしれません、しかしそのためのパーツを探すには内部へはいらないとならないのですよ。危険です！」
メアリ「私はもう一度試合で勝ってこの店を守りたいのよ！　お爺ちゃんとナットと一緒に過ごしたこの店を！」
メアリの意思は固くナットは冒険者に以下のような依頼をしてきます。
ナット「メアリが無茶をしないようにどうか、護衛とともに探索を手伝っていただけませんか？」
　報酬は一人300G、前払いとして3点魔晶石を2個渡してきます。これはナットの全財産です。
　依頼を受けてくれたならば「力をかしてくれるの？　ありがとう！」とメアリも喜びます。

　＊操縦士は怪我で居ないため、ここで話題になるようならメアリが「自分が出る」と無茶を言います。再びナットが冒険者に大会への参加も依頼してきますが、今はお金がないため探索品の買い取りと大会で勝った賞金から支払うという話になります。勝利報酬は2000Gを想定。

●シナリオ本編

　シナリオ本編の探索パートはスクラップメイズの探索となります。
　探索を終えた後、ボクスマキナ開発とボクスマキナアーツを行う魔動機格闘戦パートになります。

ガラクタ魔境　スクラップメイズ探索

簡易マップ

1	2	3
4	5	6
7	8	9

1からスタートする。隣接するエリアへ移動できる。エリア内の時間は任意（1時間くらい？）とする。
エリアではイベント→エリアで行える自由行動の順番で処理。

1	イベントスタートエリア。準備と探索。またここから脱出する。
2	鉄くずの道。
3	壊れかけのブルドルンが1体現れる。戦闘。（全ての部位のHP半減）
4	鉄くずの橋。異常感知判定12。判定に失敗すると5点物理ダメージ。橋が錆びていて崩れる。ただちにエリア1か7へ移動。その後このエリアへは入れなくなる。
5	ガラクタの雨。下記イベントへ
6	浄化タンクから水が溢れている。休息。HPとMPを1D6回復できる。
7	警報。ドルンが（PCの人数）体現れる。戦闘。
8	空っぽのジェネレーター。かつてルーンフォークを生み出していたであろう場所。休息。HPとMPを1D6回復できる。
9	まだ稼働している魔動機プラント？　MPを10点消費すると魔動機部品が2D6 手に入る。ただし2回使用すると壊れる。

ガラクタの山

　集落の端の巨兵の際には壊れた魔動機や屑鉄の山が出来上がっています。既に目ぼしいパーツは抜かれたゴミ山ですが根気よく探せば目当てのものが見つかるかもしれません。ライバル店の店員たちもパーツ探しをしています。

エリアで行える自由行動

PCは以下の行動を1度行えます。
部品探索（探索判定）
救命草、魔香草の使用
短時間の動作、魔法の使用
その他

　
探索判定　目標　10
　　スカウト／レンジャーの技巧パッケージ判定を行ってください。目標値10に成功すると探索決定表を1度振ることができます。

1D6	探索決定表
1	なし
2	粗末な魔導部品1個
3	魔導部品1個
4	粗末な魔導部品1D6個
5	魔導部品2個
6	魔動部品2D6個

　探索回数はGM任意。エリアを探索した後、ガラクタの雨（戦闘）へ。

ガラクタの雨　（戦闘）

　あなたたちがガラクタの山を探索していると、空からパラパラとネジが落ちてきます。
　PCは目標値10で異常感知判定をしてください。成功すると頭上から巨大な魔動機が降ってくるのに気が付きます。失敗した場合は魔動機が降ってきた衝撃に巻き込まれ5点の物理ダメージを受けます。このダメージは防具で軽減可能です。
　この魔動死骸区では時折、稼働した魔動機製造施設から攻撃的な暴走魔動機が生産され居住区へ被害をもたらすことがあるのです。
　その後、剣の欠片を３つ持ったザーレィ(R1 p463)と戦闘になります。（HP＋15と生命抵抗力、精神抵抗力に＋１）
　戦闘に勝利すると戦利品とは別に魔動機のパーツを1D6手に入れます。
また、この魔動機に小さな奈落の核があります。破壊すると1以外からも脱出できますが、僅かな時間で元に戻ります。奈落の欠片は1D個。

　部品を集めた頃合いでエリア1へ戻ると探索終了となる。戻る際に一度通ったエリアのイベントは割愛してよい。エリア1はなぜだか常に奈落の魔域からの出口になっている。

▼探索終了

　迷宮を探索してパーツを持ち帰った後、チャペック修理屋で待っていたナットが困った顔で出迎えます。操縦士が何者かに襲われて怪我をしてしまい試合に出られなくなったというのです。メアリはそれなら自分が出ると言い出しますが、ナットはそんな事はさせられないと冒険者たちへ試合参加の依頼をしてきます。今は報酬が無いため探索で得た部品の買い取りと試合の報奨金から2000Gを支払うことを約束します。
　操縦士の怪我の原因を探るとマクール商会が裏で手を回していたことが分かります。必要ならスカウト系技能で目標値14の判定を行ってください。操縦士を襲った者の特徴が導入でメアリに絡んでいた男たちだと分かります。

●ボクスマキナ開発

　所持している魔動機部品から作れるボクスマキナのパーツは以下の通りです。それらを開発した後、ボクスマキナに装備させていきます。以下の戦闘の手順なども見つつ作ってみましょう。
　ボクスマキナはフェローシートを使用して作成します。ボディーから能力値を計算し開発したパーツ一つにつき行動表の行動枠一つに記入出来ます。開発した部品が少ない場合は行動枠が空欄になることもあります。またフェローが同じ行動は二つまでしか登録できないように、同じパーツを2つ以上開発していても2つ以上登録することはできません。
　あなたたちが作れるのは搭乗するPCの冒険者レベル以下のボクスマキナです。サンプルは冒険者レベル2を想定してマキナレベル2になっている。まずはボディタイプを選びましょう。

▲ボディ

マキナレベル1　からスタート冒険者レベルと同様技能レベルで上昇。　
MP（マキナパワーと読み替え）HPの代わりにダメージを受ける。MPとしてコストを支払う他。ラウンド経過時に現在ラウンドだけMPを消費する。0になると燃料切れで行動不能。
能力値ボーナスは　筋力　器用　敏捷の3種を使用。命中判定、回避判定、ダメージボーナスなど。
ボクスマキナは白兵戦しかできない。射撃や魔法はご法度。

ボディタイプ

タイプ	筋力	器用	敏捷	技能	初期MP
A	4	3	2	ウォーリアー	15+5×マキナレベル
B	3	2	4	グラップラー	13+5×マキナレベル
C	2	4	3	フェンサー	12+5×マキナレベル

ボディの成長

ボディは「魔動部品＊」5個消費すると任意の能力値ボーナスを1点上昇させられます。筋力、器用、敏捷から選ぶ。
技能はファイター、グラップラー、フェンサーから選び、「魔動部品＊」1個消費につき100点計算で成長させられる。
戦闘特技、技能の効果も取得可能。使用はパーツの行動にあらかじめ登録しておくこと。

＊魔動部品は魔動機エネミーのドロップ品として手に入ります。
　なお粗悪な魔動部品（100G　黒白A）は3個で魔動部品（300G　黒白A）扱いとします。エネミーによって～魔動部品というドロップ品を落とすようでしたら価格などから判断して適用してください。

▼アタックパーツ

　任意の武器防具と魔動部品を消費することで開発できる。消費される魔動部品の数はランクBなら5個、Aなら10個、Sなら15個と5刻み。ボクスマキナに装備する際は持ち手や重さは考えなくて良いが技能などの制限は受ける。
例

魔動機アイアンナックル　（近接攻撃）1H　命中判定+1／威力5／C11　格闘武器扱い　必要部品：アイアンナックル（ランクB　100G）1個、魔動部品5個

▼サポートパーツ

フットワークユニットⅠ（回避行動）　特殊効果：敵の攻撃に対して回避判定する。盾の回避修正など加算。　必要部品：盾と魔動部品が必要。
　武器として使える盾なら攻撃行動パーツにもできる。開発時に選択すること。
例

シールドフットワーク（回避行動）1H　特殊効果：敵の攻撃に対して回避判定する。回避修正+1。防護点0　必要部品：バックラー（ランクB　60G）、魔動部品5個
魔動機スパイクシールド　（近接攻撃）1H　命中判定-2／威力13／C10　特殊効果：防護点2　必要部品：スパイクシールド（ランクA　1800G）1個、魔動部品10個
魔動機スパイクシールド　（回避行動）特殊効果：回避判定を行う。回避修正+1．防護点2　必要部品：スパイクシールド（ランクA　1800G）1個、魔動部品10個

マシンアーマ（防御行動）
　判定無し　特殊効果：機械の体の効果を常時発揮する。（刃攻撃はクリティカルしない）常に素材の鎧と同じ防護点を持つ　必要部品：金属鎧と魔動部品が必要。防護点は常に効果を発揮するが、行動では防御をすることができパーツを破壊すると1回だけダメージを0にできる。

例

魔動機スプリントアーマー　判定無し　特殊効果：防護点5、このパーツを破壊すると1回だけ受けるダメージを0にする。　必要部品：スプリントアーマー（ランクB　520G）、魔動部品5個

オプションパーツ

マナチャージギア　判定無し。特殊効果：MPを回復する。回復できるMPの数は必要部品として消費した魔晶石の点数。　必要部品：魔晶石、魔動部品5個

他、みんなで考えてみよう。

サンプル

f:id:genshikigou:20190211214103p:plain — SW2.5　ボクスマキナアーツ　サンプルB

パーツ
　魔動機アイアンナックル　必要部品：アイアンナックル（ランクB　100G）1個、魔動部品5個
　魔動機アイアンボックス　必要部品：アイアンボックス（ランクB　230G）1個、魔動部品5個
　シールドフットワーク　必要部品：バックラー（ランクB　60G）、魔動部品5個
　魔動スプリントアーマー　必要部品：スプリントアーマー（ランクB　520G）、魔動部品5個
ボディ
　レベルアップ　グラップラーを2へ　魔動部品10個
　部品合計金額：910G　合計魔動部品数：30個

ブランクシート

f:id:genshikigou:20190211214328p:plain — SW2.5　ボクスマキナアーツ　ブランクシート

●ボクスマキナアーツ

　魔動機格闘戦はフェローを使った特殊な戦闘で行います。通常、フェローは不利な効果やダメージを受けませんがボクスマキナ戦では特殊な行動としてダメージなどが適用されます。またフェローはHPを持ちませんがボクスマキナはMPをHPの代わりとして表現します。ダメージを受けたときはMPをHPと同様に減少させます。また通常通りMPを消費する行動ではMPを消費します。MPが0になるとボクスマキナは機能を停止します。
　格闘戦には操縦を担当する操縦士PC一人とセコンドを行う支援PC（任意数）が参加します。代表者を決めておきましょう。以下格闘戦の手順へ。ルール上のエラーなどは適当にGMとPLで調整してください。

▼格闘戦の手順

試合に参加するボクスマキナを配置します。ボクスマキナは常に攻撃がとどく範囲にいるものとして扱ってください。
格闘戦はボクスマキナに搭乗している操縦士PCと敵ボクスマキナを操るGMが同時に2D6を振り、出目を任意の順番に並べてください。順番にそって出目に対応した行動表の効果を参照します。ダイスの順番を決めたら同時に公開してください。
セコンドをする支援PCがいる場合、操縦士PCの出目を確認後に1D6を振り、操縦士のダイスと取り換えることができます（支援の出目を確認後に取り換えなくても良い）。この効果は１試合中に支援PC1人につき1度だけ使えます。セコンドからの的確な指示を送る行動です。
ダイスを並べた順に行動の結果を適用します。この時、互いの効果は同時に発揮されます。例えば両者ともに攻撃行動が起こった場合は同時にダメージが適用されます。一方が攻撃行動、一方が回避行動の場合は達成値による対決になります。
互いに行動停止していない場合、２～の手順を繰り返します。ラウンド終了時に各ボクスマキナは現在R点MPを消費します。
先に相手を行動停止にしたボクスマキナの勝利となります。

セコンドする支援PCは1回だけ、MP0になった味方ボクスマキナを再起することができます。1D6を振って出た目だけMPを回復させます。

＊パーツによっては手順に変更が起こる場合があります。

▼賭け試合

　賭けへの参加者は一口100Gとしてどちらのボクスマキナが勝利するかを賭けることができます。見事試合結果を的中させた場合、所定の倍率の払い戻しがあります。外した場合は賭け金を失います。
　
　賭けの倍率はボクスマキナに設定されているレベルの差で以下のようになります。
　レベル差０　高い方×1.5　低い方×1.5
　レベル差１　高い方×1.5　低い方×2
　レベル差２　高い方×1.5　低い方×3
　レベル差３～　高い方×1.5　低い方×4
　この辺りは適当にGMが決めて良いかもしれない。

▼敵ボクスマキナ

　対戦者はマクール商会所有のボクスマキナです。マクールはチャペック修理屋の技術や魔列車等を狙い、執拗な妨害を続けていたのです。

f:id:genshikigou:20190211215133p:plain — SW2.5　ボクスマキナアーツ　敵サンプル

　あまりにあっけなく終わりそうなら敵側も1回再起して良いかもね。

●シナリオ結末

　ボクスマキナアーツを終えるとシナリオの結末へと進みます。

試合に勝利

　マクールは自分のチューンナップしたボクスマキナが敗れるなんてと信じられない様子です。また、操縦士を怪我させたなどの証拠を得ている場合はマクールが試合の裏で行っていた悪事が明るみに出ます。遺跡ギルドは自分たちの大会で不正を行ったことに面子をつぶされたと感じ、マクールへの圧力をかけるでしょう。
　冒険者とメアリは勝利の賞金を得ます。PCたちへの報酬2000Gを除いた全額の入った金貨袋をメアリはマクールの顔に投げつけて言います。
メアリ「確かにこれで借金は払ったわよ！　それでも文句があるならいつでも相手になるわ！」
　悪事が明るみになり借金をチャラにしても良いかもしれませんが、メアリは筋を通す方を選びます。

　試合後、チャペック修理屋では祝勝会が行われ、ナットのご馳走が振舞われます。メアリは冒険者たちにパーツ集めや操縦士としてまた一緒に戦いたいと言うでしょう。冒険者たちの返答を待ってこのシナリオは終了となります。各自、セッションの締めくくりを演出してください。